2005 06 / 28

 『赤』には、「全くの」とか「何もない」とか「明らかな」という、強調する意味があります。
『赤っ恥』、『赤裸々』、『真っ赤な嘘』、『赤の他人』などがその例です。

 言葉の語源って、面白いですよね。
実は私は『赤』という文字にこだわりを持っております。

 何ゆえこだわるかと言いますと、学生時代"赤貧"の生活をしていたからなのです。

 "赤貧"とは、赤の語源についての説明通り、「何一つない貧しさ、ひどい貧乏」という意味... つまり、貧しさ全開、っていう感じでしょうか。どれ位貧しいかと言うと、わたしの学生時代はまだまだバブリーな時代でして...

 学生なのに車に乗っていたり、ブランド品で身を固める綺麗な女子大生、 アッシーだのミツグくんだのという言葉も飛び交っていたあの頃...。親の反対を押し切って上京したわたしは、家賃5万円、 6畳一間風呂・TV・エアコンなしのアパートで一人暮らしを始めたのです。 両親にタンカを切って強行した手前、多くの仕送りは望めません。当時、銭湯代が¥295、大学の往復交通費を考えると、一日¥300の生活費になりました。

 見かねた母親が、こっそり味噌とビール券を時々送ってくれます。 なぜにビール券!?という感じではありますが、何もないよりマシなので、 有り難く頂戴していたら、ビールには滅法強くなりましたねぇ。
(金券ショップに行けよ。という突っ込みは無しでお願いします。)

 主食は近所のパン屋で貰えるパン耳です。 味噌汁の具は、春先に野原に生えてる菜の花です。それだけじゃなく、おひたしにもしました。つくしんぼうも食べました。 野草の知識が乏しいわたしは、とにかく菜の花とつくしんぼうを採りまくり、 冷凍保存して食べまくりました。

 わりと余裕のある生活の友人が、田舎から送ってきたと言っては何かしら差し入れしてくれました。 貧乏全開、とは言え、人間ってみんなで支えあって生きているのね...としみじみ感じる、思い出深い青春時代です。

 その後、いろいろあって"今のわたし"という人間が作られていき、現在に至る訳ですが、 北海道は、野草(山菜)が多いですね!

 あの頃の名残りから、いまだに道端のフキノトウとか、 三つ葉を見ると、モーレツに生きる力が沸いてきますし、 可憐な菜の花を見るにつけお味噌汁を思い出して胸がキューンとなるのです。

 この間、辞書を調べていたら、"清貧"という言葉を見つけました。 同じ貧乏でも、"赤貧"とは違い、
「行いが清らかで私欲がなく そのために貧しく暮らしていること」
という意味だそうです。

 これからは"清貧"を目指そう、と強く決意するのでありました。

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菜の花

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