2006 05 / 15

港町さっぽろ

私は毎朝カモメの鳴き声を聞きながら出勤している。 「う~ん、磯の香りが今日も清々しい・・・って、ここは港町かいっ!」 と、心の中でいつも突っ込みを入れている。 なぜならここはれっきとした札幌の町、しかも結構都心に近いのだ。 最初カモメを都心で目にしたのは10年ほど前だったか。 当時はカモメを見るのが珍しくて驚いたものだ、卸売り市場の魚でも追いかけてきたのか?などと考えていた。 kamome.jpg

そのうち、つがいが我家のマンションの向かいのビル屋上に、毎年巣作りをするようになった。新緑の頃になると、2羽のヒナが孵化し、ねずみ色の綿毛の頭を覗かせて、じーっと親鳥の帰りを待つ姿が微笑ましい。
時々カラスの攻撃に遭うものの、その危険を何とか乗り越え、ヒナはたくましく成長していく。盛夏には羽ばたくことを覚え、ビルからビルへの危なっかしい飛行訓練を繰り返す。そしてある日、家族ともども突然屋上から姿を消し、人間は秋の訪れを実感する・・・・という一連の流れが風物詩のようになっている。
それにしても今年は数が多い、一つのビルの上だけで6羽もくつろいでいる。昔はカラスやハトが多かったのが、この一帯は今や完全にカモメゾーンである。
一羽や二羽だと優雅で哀愁を感じさせるカモメも、10羽近く我が物顔で乱舞していると、なんだか急に図太い雑食動物に見えてしまうから不思議だ。
先日残業の帰り道、空を見上げると夜10時だと言うのにカモメたちが鳴きながら悠々と飛んでいた。
疲れた体にカモメの声は意外と“こたえる”ものだと初めて知った。漁師の皆さんもこんな気分なのかな?でも札幌にこの鳴き声はやっぱりミスマッチだと思う。

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