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「喜糖」の正体

大家好!

すっかり桜も開花し、春の訪れがすぐそこまでやってきましたねcherryblossom

春は卒業式や入学式、就職と何かとおめでたい話題が多いですが、先日中国出身の方から結婚の報告とともに「喜糖」と呼ばれるお菓子をいただきました。この「喜糖」は、結婚をした時に友人や同僚に配る飴のことを指すのだとか…!今日はそんな喜糖についてご紹介します。

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喜糖の由来は三国時代に遡るとされます。呉の君主「孫権」の臣下であった「周瑜」は、孫権の妹(孫尚香)を「劉備」に嫁がせることで、劉備をおびき寄せ殺す計画を立てた。

しかしこの計画を見破った劉備の軍師「諸葛亮」は、呉を訪ねる劉備に「赤い煮卵」を持参させた。そして劉備は呉に到着するや否や、宮廷内外を問わず沢山の人々に卵を配った。

結果、劉備と孫尚香が結婚することが呉中に知れ渡り、孫権は劉備を殺害する契機を失うことになった。一方で、劉備は無事に孫尚香を妻として迎え入れることに成功したのだった…。

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この出来事から「赤い煮卵」は形を変えつつも、婚礼の際に「喜糖」を配る由来になったと言われています。また周瑜の失敗談は、「赔了夫人又折兵」すなわち「計略が失敗してかえって損失を招く」という諺として現代にも教訓として継がれています。

尚、伝統的な喜糖は、「四色喜糖/ sì sè xǐ táng」と呼ばれ、「冰糖/ bīng táng(氷砂糖)」と「冬瓜糖/ dōng guā táng(冬瓜飴)」は、甘い結婚生活が送れるように、「桔饼/ jié bǐng(柑橘類を砂糖で煮詰めたお菓子)」は「吉祥/ jí xiáng」と発音が近いことから、「龙眼/ lóng yǎn(リュウガン)」は別名「福圆/ fú yuán」とも呼ばれることから円満な家庭を築けるようにとの願いが込められています。

現在では「四色喜糖」以外にもバラエティに富んだ喜糖が配られ、それぞれに色々な意味が込められているようです。例えば下記のようなお菓子と意味が挙げられます。

 

1. 酥糖(きな粉やすりゴマで作られたサクサクとした食感の砂糖菓子)

意味:子宝に恵まれるように。

 

2.棉花糖(マシュマロ)

意味:子孫が末永く繁栄するように。※中国語で永遠を意味する「绵延/ mián yán」に由来。

 

3. 棒棒糖(ロリポップキャンディ)

意味:男の子の赤ちゃんに恵まれるように。

 

4. 牛轧糖(白いヌガー)

意味:夫婦がずっと寄り添っていられるように。

※中国語「白头偕老/ bái tóu xié lǎo」は、互いが白髪になるまで連れ添うことを表す。

 

5.巧克力(チョコレート)

チョコレートが甘さの中に苦みがあるように、楽しいだけの結婚生活だけでなく苦難を乗り越え、永遠に連れ添うことが出来るように。

喜糖_写真①.jpg喜糖_写真②.jpeg

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