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奥深き「茶艺」の世界

大家好!

本日は「茶艺(chá yì」についてご紹介しますcafe

日本人とお茶の結びつきは非常に強いものですが、同様に中国でもお茶は人々にとって欠く事は出来ない存在です。そしてお茶は飲料としてのみならず、五感で楽しむ文化の1つとしての発展を遂げました。

その表れとして「茶艺」が挙げられます。茶艺とは、日本の茶道とは異なり厳格なしきたりはなく、お茶そのものやお茶を通したパフォーマンス、共にお茶を囲む人々との会話を楽しむことを目的としています。例えば「四川茶艺」では、注ぎ口が1m近い急須を用いてアクロバティックに湯を注ぐパフォーマンスが有名です。

 

他にも「潮汕功夫茶」は、最も代表的な茶艺の1つとして挙げられます。宋王朝に起源をもち、広東省潮汕地域や、福建省漳州・泉州一帯で繁栄を遂げました。「潮汕功夫茶」の特徴は、茶器・茶葉・水質・注ぎ方・飲み方に至る全てにこだわりを持ち、ゆっくりとお茶を楽しむ事にあります。

加えて人数に関わらず、用いる湯呑みは3つというのも特徴の1つです。その理由として、潮汕人は品格を重んじる性質であり、3つの湯呑を用いて「品」という漢字を表現したというものがあります。他にも、かつては生活苦を理由に海外への出稼ぎへ行く人も少なくはなく、出稼ぎ先で故郷や家族を思い、1杯目は故郷の友人・2杯目は自分・3杯目は家族へ捧げたことに由来するという説もあります。

「潮汕功夫茶」は図の通り8つの動作が基本の流れとなりますが、基本動作に捕らわれ過ぎることなく、ゆったりとした時の流れの中で、共にお茶を囲む人々との会話を楽しむ事も重要だと言えますshineshine

 

潮汕功夫茶八步法(潮汕功夫茶8のステップ)

1、治器—冲茶前的准备工作,从起火到烧开水,冲烫茶具

1、治器(zhì qì)—お茶を淹れる前の準備として、火にかけたお湯で茶器を温める。

 

2、纳茶—将茶叶分粗细后,分别把茶叶装入茶壶,粗者置于底、中者置于中、细者置于上,茶叶不可装得太满,仅七八成即可

2、纳茶(nà chá)—茶葉を太さ毎に選別し、太い茶葉から順に積み重ねる。満たんにはせず7~8割程度で満たす。

 

3、候茶—讲究煮水,以“蟹眼水”为度,如苏东坡所说,“蟹眼已过鱼眼生”,初沸的水冲茶最好

3、候茶(hòu chá)—沸騰にこだわる。お湯の温度は「カニの目(沸騰し始めの小さな泡の例え)」、すなわち沸騰し始めが最適温である。蘇東坡(北宋の文豪)は、沸騰し始めの泡を「カニの目」、温度が上がるにつれ泡が大きくなる様を「魚の目」と説いた。

 

4、冲点—讲究“高冲”、开水从茶壶边冲入,切忌直冲壶心,以防“冲破茶胆”,茶叶冲散,茶沫溢出,可能把茶冲坏

4、冲点(chōng diǎn)—「高冲(gāo chōng)」と呼ばれるお湯の注ぎ方にこだわる。端からゆっくりと注ぎ、決して中心に勢いよく注がない。茶葉が散ったり、泡立つ事によってお茶の風味が崩れるのを防ぐためである。

 

5、刮沫—冲茶时溢出的白色茶沫,先用茶壶盖刮去,然后把茶壶盖好

5、刮沫(guā mò)—お茶を注ぐときに立つ泡は、急須のフタで削ぎそのままフタをする。

 

6、淋罐—茶壶盖好后,即用开水冲淋壶盖,既可冲去溢出的茶沫,又可在壶外加热

6、淋罐(lín guàn)—5の手順の後、急須のフタをお湯で洗い流す事により、泡を流すだけでなく急須を温める事が出来る。

 

7、烫杯—在筛茶前,先烫杯,一可消毒,二可使茶杯升温,茶不易凉,也能使茶生香

7、烫杯(tàng bēi)—お茶を分配する前に湯呑に湯を注ぐ事で、湯呑の消毒と保温効果を高める。この手間により、お茶を冷めにくくし、お茶の香りをより引き出す事が出来る。

 

8、筛茶—讲究“低筛”,这是潮州功夫茶的特有筛茶方法,把茶壶嘴贴近已整齐摆放好的茶杯,然后如“关公巡城”般地连续不断地把茶均匀地筛洒在各个杯中,不能一次注满一杯,以示“一视同仁”,但一壶茶却必须循环筛酒以至于尽,即所谓“韩信点兵”多多益善。

8、筛茶(shāi chá)—「低筛(dī shāi)」という潮州功夫茶独特の分配方法にこだわる。並べられた湯呑に「关公巡城(関羽が街を巡回する事)」の如く、均一に少しずつ回し注ぐ。一度に湯呑いっぱいに注ぎ、目分量で揃えてはいけない。ただし急須が空になる最後の一滴まで回し注がなければならず、それは「韓信点兵,多多益善(多ければ多いほど良い事の意味)」と例えられる。

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