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大地回春~もうすぐ春が来ます~

大家好!

2月もあっという間に過ぎ去り、3月を迎えました。少し先にはなりますが、3月21日には「春分の日」を迎え、昼と夜の長さがちょうど同じとなります。春の陽光と暖かさが待ち遠しいですねclovershine

 

さてこの「春分」ですが、太陽の1年で1周する道(黄道)を15度ずつ24分点に分けた暦「二十四節気/二十四节气(èr shí sì jié qì)」に基づくものです。1年は3か月毎の季節「春・夏・秋・冬」と1カ月を各2回の「節」と「中」に分けた内の「中」の1つです。

 

「二十四節気」の起源は、中国・戦国時代に遡るとされています。その歴史は農耕と密接に関係しており、太陽の動きを基に、気候や農産物の旬を推し測る中で発明されたとされています。月の満ち欠けに基づく「太陰暦」では、暦と実際の季節に隔たりが生じるため、農耕の指標とするには不十分だったのです。「二十四節気」を用いることで、作物の生長(春/夏)・収穫(秋)・貯蔵(冬)の時期を明確に把握し、農産物の安定した供給に寄与します。

 

また、農業の指標のみならず人々の習俗活動にも大きく影響しています。例えば今月21日迎える「春分」では、「春分竪蛋/春分竖蛋(chūn fēn shù dàn)」と呼ばれる独特の遊びをすることがあります。机の上に卵を立たせる遊びであり、春の訪れに伴う作物の成長や、卵のイメージから人々の繁栄を祈願するために行われるとの説があります。

 

他にも「冬至」は、一年の内で太陽の位置が最も低い日であり、この日を契機に「太陽が生まれ変わる」=「縁起の良い日」「正月同じくらい重要な日」とされています。人々は、その日に「湯円/汤圆(tāng yuán)」を食べ、家族との「再開=团圆(tuán yuán)」や「家庭円満=圆满(yuan mǎn)」を祈願します。

 

尚、「二十四節気」の暦は、2006年に中国国内・2016年には、ユネスコ「無形文化遺産」へ登録されました。また2022年の冬季北京オリンピックでは、開会式のカウントダウンに「二十四節気」を用いたことも記憶に新しいのではないでしょうか。「雨水」の24からカウントが始まり、厳しい寒さ(困難)を乗り越えた先の春「立春」を1として開幕しました。各節句の伝統的な習俗の様子と競技を組み合わせたショートムービーは、人々に多くの感動と印象を与えました。

 

このように太古より受け継がれてきた人類の知恵や営みが、暦を通して現代にも息づいていることは何ともロマンを感じます。忙しい日常の中でも、春になると花を咲かせる植物に目を向けてみたり、伝統的な食材から涼や暖をとったりと、季節の移ろいを感じるのも一興です。

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