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「守り」から「攻め」へ…リモート時代に成果を最大化する戦略的報連相術

2025年11月17日

カテゴリー:コラム

今回はビジネスの基本でありながら、時代とともにその難易度が増しているテーマ、「報連相(報告・連絡・相談)」について、実践的な視点から考察します。

「報連相が滞っている」「伝えたはずなのに認識がずれている」このような課題は、多くの企業で共通して見られます。特にリモートワークが浸透し、顔が見えないコミュニケーションが主軸となった今、私たちは「報連相のアップデート」を強く求められています。

報連相は「守り」ではなく「攻め」のツールである

多くの場合、報連相は「義務」として、あるいは「ミスを隠蔽しないための守りの手段」として捉えられがちです。もちろん、組織人としての義務であり、仕事の最終責任を組織が負う以上、悪い知らせほど最優先で迅速に報告・相談する(バッドニュース・ファースト/ファスト)ことは鉄則です。小さなミスを隠すことで大きなトラブルに発展するのを防ぐという点で、これは非常に重要です。

しかし、報連相の真の価値は、その「守り」の側面に留まりません。メンバーの成長を促すための「攻めのツール」として活用すべきです。

成果につなげる「攻めの報連相」3つの原則

1.結論を先に、判断材料を添える「報告」

上司や関係者に情報共有を行う際、最も相手の時間を尊重し、スムーズな業務遂行を可能にするのは「結論から話す」ことです。報告の基本は「結論→理由→詳細」の流れを徹底する(PREP法の活用)ことです。さらに、進捗は「○%完了」のように数字やデータを用いた定量的な表現を心がけ、受け手が一目で状況を把握できるように意識します。

2. リスクの兆候を早めに「小さく」相談する

相談は「早めに、小さく、頻繁に」行うのが基本です。問題が大きくなってからでは手遅れです。また、単に「どうすればいいか?」と漠然と問うのは「守り」の姿勢です。「攻め」の相談では、「A案(外注)とB案(内製)を検討中ですが、コスト面からB案が有力と考えます。山田さんのご意見をお聞かせください」といったように、状況と前提条件を整理した上で、具体的な選択肢や自分の仮説を提示し、相手の意思決定を促します。

3.仕事の意義と成長につなげる「内省の報告」

報連相は、業務完遂のためだけでなく、部下の働きがいを喚起し、人材育成と活躍支援のための有効なツールでもあります。部下自身にミスやトラブルの原因究明、再発防止策の検討、実行、そして振り返りという一連の流れを経験させることで、自律型人材へと育成していく絶好の機会となります。PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを回すためにも、仕事の結果について、プロセスも含めた自己評価を上司に報告することは重要です。

非対面時代のコミュニケーション術

リモートワークが定着した現代では、チャットやメールといった「打ち言葉」でのコミュニケーションが増大しています。しかし、テキストでは相手の表情や声のトーンといった非言語情報が伝わりづらく、誤解や認識のずれが生じやすいという難しさがあります。

プロのコミュニケーションが組織を強くする

報連相は、単に情報を共有するだけでなく、組織内の連携を強化し、業務の生産性を高め、さらには社員一人ひとりの成長を促すための起爆剤です。

リモート環境という新たな土俵に立つ今、私たちは従来の「なんとなく」の報連相から脱却し、相手に伝わるように情報を整理し、迅速かつ配慮をもって伝えるプロの技術を身につけることが、企業の競争力を左右します。

「攻めの報連相」を全社で実践し、貴社の組織をさらに強く、そして働きがいのある場へと変革していきませんか。

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